サラバンド

4分の3拍子の発明といえば、華やかなウィンナーワルツを思い浮かべますよね。
今時、4分の3拍子如きの拍子感覚が悪けりゃ、ダンス系オールアウトと言っても言い過ぎでないので3拍感覚疎かにせずにレッスンいたしますよ。

だが、3拍子の発明はワルツの発明より古く、やはり舞曲としてはメヌエット。
アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳のト長調のメヌエット、レーソラシド(ここまで1小節)レソソ(2小節目)初めてのバロック曲によくお稽古されます。

ただこの可愛らしいメヌエット見かけの可愛らしさと裏腹に、痩せても枯れてもお子様向けでもバロック曲なだけあって右手メロディーあっという間にクリア出来ても、左手の伴奏とはいえぬもう1つの旋律弾く、更にそれを両手合わせる段階で結構な苦戦を強いられる曲者なのです。

そして、わたし的に心惹かれる3拍子舞曲は実はメヌエットならぬサラバンド。

わたし、フランス組曲お稽古し始めし頃、さんざ先生に舞曲は揺らすな。て、注意されて。
ははーっ、すみません。その程度にはリズム感悪いもので、、。

揺らすな。とは要するにテンポを気ままに早くしたり遅くしたりするな(`Δ´)!ということ。
では、舞曲ってなんだ?ってから。

後に音大附属に行ってなんのことはないダンス系のことと判明。
そんなことも知らずにレッスンしてたのかよ。って呆れますが、その頃のピアノの先生というのはそうそう質問出来ない雰囲気漂わせてたんですよ。

そのバロック時代のダンス系、収録作品のフランス組曲、イギリス組曲。
早め遅め、2拍子3拍子4拍子、更には16分の12拍子のジーグまで揃っていて、さてこの時代の人たちはこのダンス系曲で熱狂して踊っていたのであろう!

組みにされると好き嫌いのバラツキが出てきてくるが、いやそのような我が儘は許されない端から端までバロック曲は厳正に弾かねばならない。
何故か、わたし組曲は端から端まで弾かなければ気がすまないのですけれど、当然好みは出てきます。

わたし的にバロック時代のダンス系一押しはサラバンド。
4分の3もしくは2分の3の緩やかなスペイン舞曲、テンポは遅い。

あるとき、音大卒業後レッスンを受けに行った。
そこで張り切って、弾いたサラバンド。
バロックらしく厳正かつ神に捧げる音楽の如く崇高に、、。

だがその時受けた注意。
サラバンドはどのようなタイプの舞曲か知っているか?

ええ、サラバンドはスペイン舞曲ゆったりと荘厳に、、。

あのね。サラバンドというのは何を隠そうΣ(´∀`;)
バロック時代の色っぽい舞曲で風紀の乱れを助長する恐れがあるのでサラバンドを踊るのは禁止令とて出た。

そのような官能的音楽であるからして、もっとムード出して弾きなさい。

そうか、、。そうだったのか、サラバンドってエロ系音楽だったのかΣ(゚д゚lll)
しかしあの時代にエロい。と言っても女性の踝が見えてもエロかったのであろうから、現代のように娘が太ももまで出してる時代とはおのずとエロさの定義も違う。

まあ、良いわ。とにかくサラバンドはテンポルバートはなしにしても(テンポルバートはテンポ揺らすこと。)官能的に弾いて見せよう。
わたしはもう大人だしね。(ΦωΦ)フフフ…

そのような薫陶受けつつ、稽古に励んだバロックダンス系です。

とりわけ、わたしがゾクとするほど好きなサラバンドはイギリス組曲3番のト短調のサラバンド。
この組曲の中ではわたしプレリュードも好きです。

イギリス組曲3番ト短調のサラバンド、盛大な装飾音符とそれを支える長大な低音。32分音符と64分音符の流れに18世紀的トレンディーと18世紀的色っぽさを感じます。