トルコ行進曲 ファジルサイ編

モーツァルト作曲ケッヘル331ピアノソナタの3楽章。
超有名な不朽の名作。トルコ行進曲。

この曲を弾くことを目的としてピアノ教室の門を叩く方も多し。

わたしも1楽章からして好き(*^ω^*)
1楽章なのにAndante grazioso 読みはアンダンテグラツィオーソ。
イタリア語なのでカタカナ表記にしてもそう的外れなことはない。

貴婦人がゆっくりのんびり歩くような速さで、優雅、優美に。
なんとも古典派しかもモーツァルトらしい、典雅かつ品格を伺わせる速度表示でしょう。

だが、疑問は古典派のくせになんで1楽章がアンダンテなんだ?
これの解は、ケッヘル331の1楽章はヴァリエーションなのです。
ド~レド、ミーミのテーマから第1ヴァリエーションより第6ヴァリエーションまで取り揃えて変奏し、続いては(すぐにはトルコ行進曲にはならない!)2楽章のメヌエット、そしてやっとこさ3楽章のトルコ行進曲へとたどり着きます。

性格的にも受けてきた教育からも全楽章弾かないと気がすまないわたしでさえ、第3楽章だけ抜粋して弾くことはよくあります。
第3楽章Alla turca.Allegrettoアラ トゥルカ、トルコ風に(実はなにを意味しているのかはよくわからない。)アレグレットはやや速く。

教室でひとりやふたり必ずレッスンしている人気曲で、ソナチネの不人気さのあまりソナチネをレッスンせずにこのケッヘル331を古典派曲としてノミネートすることも幾度か。

で、このケッヘル331第3楽章を仕上げたその時。
「ファジルサイのトルコ行進曲もレッスンしたい。」
?謎?ファジルサイって何者だ?!

わかった初音ミクの亜流が?
そこで、うちに完備するiPadで検索。どうやら「朝起きた~♪」の初音ミクとは全くの別物。

だからこの曲不朽の名作なのよ。
生誕262年、とっくの昔に著作権に切れてるモーツァルトはいろんなヴァージョンで編曲するもんだ。

わたしも参考資料として楽譜は購入、輸入版なので結構高価。

ジャズの編曲で、変則的なリズムが出てきますが、こんな難しい拍の取り方出来るの?
というような心配はしなきゃならないとしたらそれは私の方。

今時の若い者、少年少女はラクラク変則的な拍動をモノにしてくれます。

モーツァルトのコンチェルトも弾いているイケメンのピアニストです。

では、生徒さんたちに負けじとわたしもファジルサイのトルコ行進曲に果敢にチャレンジするかというと、、。
しません。
弾けそうもないから。でなく!!

革命のエチュードから始まって、クリスマス(チャイコフスキー)平均律にあこがれの夏とあと1曲くらい練習中で相変わらずショパンエチュードの3分の壁に苦しんでいてさらに「すいかのめいさんち」の伴奏を7月にする。
これ以上、突っついたら何時間練習しなきゃ間に合わなくなるんだ。
とてもじゃないがこれ以上は無理だ。。。

いえいえ、この夏の発表会はもうわたしの講師演奏はヤメにしようとさえ思ってる。
発表会を控える今頃になると事務的仕事がどっと押し寄せてきて息も出来ない!

ただ、今現在抱えている名曲の数々を消化してしまったその日にはせっかくの参考資料なのだからボツボツとチャレンジするかもしれない。





きらきら星変奏曲

きらきら星変奏曲ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト作曲K.265ハ長調、人気クラシック曲です。byうちの教室、及びわたしの好み。

テーマからなんとⅫヴァリエーションまであり、物凄い大作ってわけでもないかな?
短いヴァリエーションは24小節くらい。ほとんどが1ページ分。

テーマは24小節で途中繰り返しあり。ドドソソララソソファファミミレミレドレミ(装飾音符)ド。
なによ。キラキラ光るお空の星よ。じゃないよ。

そうです。童謡のきらきら星、英語ではTwinkle Twinkle Little Star。
元はといえば18世紀フランスで流行った歌、Ah! Vous dirais-je, Mamanだそうです。

ドードーソーソーラーラーソーはモーツァルトが作曲したのではありません。

更に元のフランス語の(フランス語わたしアルファベットの読みもわからないのよ。)言語題は「ねえ!言わせてお母さん。」
はあ?!あまりにきらきら星とは雰囲気違う?

だが、モーツァルトの変奏曲も日本語題こそ「きらきら星変奏曲」だが、原題はAh! Vous dirais-je, Maman。
歌付きじゃないから問題はないけど、「きらきら星変奏曲」とはかけ離れてる気がする。

わたし所有の楽譜はモーツァルト集ではなくドレミ楽譜出版のピアノ名曲110選グレードA。

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楽譜 ピアノ名曲110選 GRADE A(0412/バイエル後半〜ソナチネ程度)
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これです。

バイエル後半からソナチネ程度、となってますが通過儀礼で弾く曲でなくちゃんとレパートリーとなる変奏曲。
テーマのドドソソララソーで、楽勝さ(^-^)
と、考えるとヴァリエーショ1ですぐさまモーツァルト的困難がやってきます。

ヴァリエーション1、右手の16分音符のモーツァルトらしい連なり、次ヴァリエーション2はそれが左手。
なにを秘そうわたしはこのモーツァルトの16分音符の羅列が(ハノンやツェルニーとは違ってね。)ゾクゾク、ワクワク((o(´∀`)o))ワクワクするくらい好き。

かつて高校のクラスメートがモーツァルトが嫌い(>_<。)鑑賞するのは好きでも細かい音見ただけで固まる。 あなた(つまりわたし)がモーツァルト好きだ(弾くのが)というのは手が小さくて指が細めだからだ(゜д゜)(な筈ないだろうが、、。) 筈ないだろうが、わたし手が小さくて指が細めなせいか音は硬質。


ヴァリエーションⅧは唯一ハ短調。
ヴァリエーションてこの辺で息が切れてくる。
だが、先も見えてくる。

ヴァリエーションⅪがアダージオ、16分音符に装飾音符付き、次は32分音符。
最後ヴァリエーションⅫは4分の3拍子アレグロで(さぁ、早く終わりにしようぜ。)なんだかツェルニー40番ぽくないか?
だが、焦って弾くと本当に早く終わりにしたくて急いでるみたいに聴こえるのでとりわけツェルニー40番ぽい両手16分音符の3拍目、端折ったみたいな弾き方にならないように気をつけましょう。

全ヴァリエーションで7分弱。
童謡きらきら星のキーラーキーラひーかるうーテンションは忘れて、モーツァルトらしく古典曲らしく典雅に繊細に演奏しましょう。





かっこうワルツ

ピアノ発表会向け人気曲、というのも流行り廃り(著作権が切れているくらいの年代曲。)があるらしい。
うちの教室だけの現象かもしれないけど、わたしが少女の頃もらってとても嬉しかった曲。

なのに何故か今さっぱり人気がない曲というのがある。

そのひとつが「かっこうワルツ」これこそ3拍子の拍動がはっきりした。ボールルームダンスのワルツ!!
それでいてお子様が弾いて楽しい軽やかなメロディー。

わたしかっこうという鳥のことはよく知らないのですが、よく知らないながらもカッコー♪゜・*:.。. .。.:*・♪カッコー♪゜・*:.。. .。.:*・♪の鳴き声、綺麗に表現されています。

アウフタクトでミッドッ休符ミッドッ休符ミソオミドミレ、(ハ長調)多分知ってる人はよーく知ってるあのワルツです。

いいと思うのですがね。何故かここのところ不評で発表会演奏率0%更新中です。

わたし小学生の少女の頃、この曲を練習するにあたってこれは名曲なのだから作曲者の名も覚えるように、と母親に命令されました。

誰が作曲したのよ?
ところがそう命令した母親が作曲者は知らない。だが、ここは母親の権威を示さなければならぬ場面。
母親苦心惨憺して作曲者調べ上げる。

作曲者はヨナーソン。誰だそれ?(だいたいカタカナに変換しないよ。)

でだ。ヨナーソンさん。どのような方かというとスウェーデン人です。
生年1886年没年1956年。
本当か?もしやして最近著作権切れたばっかりか?

生まれた頃こそ19世紀だが、立派に20世紀の人じゃないか?
フルネームはヨハン・エマヌエル・ヨナーソンもちろん作曲家で音楽家です。

ただ、「かっこうワルツ」以外はあんまり知られた曲はないみたいです。

珠玉の小品でやはりかっこうの鳴き声を主題にした発表会お薦め曲は、こちらは著作権全く気にしなくってOKな人。
ルイ・クローネ・ダカン(1694~1764)の「かっこう」ホ短調バロック時代の作品です。

わたし的にはこの曲の16分音符の流れのカゲにカッコーが聞こえるのとても好きなのですが、これまた今のところ希望者はナシ。

少し啓蒙したほうがいいのかしれない。

双方ともコスパのとても良いピアノ名曲110選に入っております。

もう一つ発表会お薦めカッコー曲は「かっこう鳥の歌」作曲者はウィルヘルム・ポップ (1828-1903)この人、フルート曲のほうがメジャーならしい。

わたしが持っている楽譜は大村典子ピアノ・ピースセレクション歳時記A。
ですが、これはもう廃版になっているらしい。

だけどわたしなんとなく煮詰まっていて、つまりこのように文字列と写真だけじゃ音楽は伝わらない。

どんな曲よ?
と、言って、このような曲よ。って、リアル音楽で伝えるのが1番分かりやすい。
上記3曲は、弾いて見せるからあと半年待っててよ。
と、言うほどの難曲ではけしてなくピアノを習い始めた少年少女、初めての名曲。的難易度。

わたしがピアノ弾いてこんな曲よ。
と、示すのが一番早い。

そうよ。そうだわ。i-padを買おう。

これが欲しい✩(≧∇≦)/

実は使い方さっぱりわからないけど、わからなからってここにいつまでもソーミ、ソーミレドレドー。やってるんじゃ芸も進歩も無さすぎ。

ではでは($・・)))/今年は必ずや、この手のデジタル機器手に入れて推奨曲お目にかけますわ。
とりわけ、ダカンの曲是非弾いて披露したいわ。

この方の作品こそ「ダカンの子孫ですが著作料払ってくださいよ。」なんてくるはずないんだから。





ルートヴィヒ・フォン・ケッヘル

わたし、15歳の夏担任の先生より、1学期の履修曲届けを書いて提出するようにの指導がありました。
わたしが通っていた高校は音楽科、なので学期末にわたしは今学期この曲とこの曲を勉強して担当の先生から◎もらいました。
そして試験曲はこれこれを演奏します。
の、自己申告をするのです。

担任先生曰く、その場合作曲者名は必ず明記、作品番号op.及び、モーツァルト作品の場合はケッヘル番号を明記のこと。

先生?ケッヘルって何?
聞かなかったけど、、。

よくは分からぬが想像はつくモーツァルトのソナタの右上の所に書いてあるK.331のことであろう。

だが!?なんでモーツァルトはケッヘル?普通作品番号はOP.じゃないよ。

この疑問は担任の教師に教え仰がなくてもすぐに解は得られた。
この手の学校というのは、さりげなくにせよはっきり提示するにせよ、「それくらいのことも知らぬのか?」
のそしりにさえ耐えられれば、ただで講義してくれる輩というものがわらわらいる。

ここで、天才にありがちな夭折、不思議ちゃんモーツァルトの作品群について。

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト1756年~1791年1月27日生まれ、水瓶座。

つまりはモーツァルトは35歳までの命であった。
普通早すぎる。21世紀になった今でなく18世紀だってけして長生きではなかったであろう。

だが!早くお亡くなりになったのだから相応に作品だって少ないだろう、というのは天才モーツァルトに関しては大きな間違い。

18世紀の不思議ちゃん、その微かな生涯にも関わらず、ケッヘルさんが時系列ごとに整理しなきゃならないほどその作品は多い。

そうなのです。ケッヘルさんはモーツァルトの膨大な作品群を年代順に整理して番号を振った人なのです。
最終ケッヘルは626。

それじゃ生涯626曲作曲したのかっていうと、そうでもないらしくてこのケッヘルの番号のの中でもa.とかb.の枝番号まであって、626曲ったって、この中にはオペラもあればコンチェルトもある。

ルートヴィヒ・フォン・ケッヘルは1800年生まれ、アララこの方は19世紀を生きた人じゃあないですか。

詳しく知りたい方は書籍購入をお薦めいたします。

モーツァルト作品、一定の時期以降はモーツァルト自身が作品の管理行っていたので、問題ないがそれ以前の作品は時系列にズレが出た分については2つの作品番号が付けられている。

それはそうです。わたしもそのような作品見たことがあります。

おそらく最も男前に描かれている肖像画。

赤いジャケットがお洒落。

ヘアスタイルはお洒落通り越して冗談みたいですが、わたし生徒たちにもこのヘアスタイルについては教示しております。
この時代の流行りの髪はカツラです。

なんでカツラが流行ったかについてはこれまた一コマ分の講義になってしまうので差し控えます。

差し控えますが、流行のファッションというものはその流行が去ったあとはたいていはダサくなるものです。
この傾向は衣服髪型だけでなく音楽にも本来は言えることなのです。

だから、当時サロン向けの流行曲であったソナチネも今やダサい時代遅れ曲に成り下がったとも思われ。
その証拠に、前前前世を弾きたがる少女は多くとも、ソナチネ派は少数(ちゃんといますよ、ソナチネ推進派も)。

だが、時代遅れかつダサめな筈の18世紀製造の楽曲。

これはだーれだ?

初音ミクさんです。
ボカロさんもモーツァルト歌ってます。

モーツァルト天才の証明、21世紀になってもダサくならない。
ならないばかりかボカロさんさえ歌ってる。

超有名なトルコ行進曲こそ、K.331のピアノソナタ最終楽章です。

ボカロさんの活躍にも刺激されて、おかげさまでこのモーツァルト作曲K.331ピアノソナタ最終楽章のトルコ行進曲は世界一の難曲の指定を受けているのです。

なんでかって?それはこの曲、コード単純だし少しピアノ弾ける人だったら♪をおうのはたいして難しくもないのですが、誰に聴かれてもミスタッチたちまち見破られる。
これが、盛大な音符玉数を誇るロマン派曲や、風変わりな感じの和声が出てくる印象派曲だと「ちょっとやそっと、音外したってシロートにゃわかりゃしないぜ!」

モードで突っ走れる。

偉大な天才モーツァルトに必ず寄り添うルートヴィヒ・フォン・ケッヘルさんでした。

全音出版のモーツァルトピアノソナタ、トルコ行進曲はここに収められてます。

この全音出版のソナタ集が一番値段が安い。