引越しとピアノ

わたしは30年以上今の住所に住んでいるのだが、上モノつまり家は入れ替わった。建て替えたわけだが、当然ピアノも引越しには巻き込まれた。

家を建て替える場合は、まずは古い方の家を倒壊させる。そして更地にする。その次、新しい家を基礎から建てていく。うちの場合はそのようにした。家を全壊しないで柱だけ残して、作り替える。という工法もあるらしいが、うちの場合、傾斜地に建っている割には基礎がいい加減だったので、家が傾いてきた。

なので前家は全部取り払って新たな家を建てた。

と、いうことは前家の取り壊し~次の家の誕生まで、住む場所がなくなる。ほかのことはどうにかなっても、住む場所がないのは困る。

なので仮住まいなる一時的に避難する家を探さなければならない。

当たり前だがその場合は不動産屋に行って、何年何月から何年何月の間仮住まいとなる住まいを探している。条件は、半年しか借りない。(買い取るような贅沢が出来れば問題はないが。)犬1匹と猫2匹がOKのところ、場所は本来の家からあんまり離れてないこと。家族は3人構成はこうです。

肝心なのは予算はいくら。仮住まいなのだから、我慢するので安いほうがいい。とか、生活落としたくないから建て替えの家と同じくらいのバージョンの家。とかいろんな思惑を伝えます。すると、

不動産屋さんはたちどころに条件に合う。もしくはそれに近い物件を紹介してくれます。

ともあれ、その時うちで借りたのは築50年はたってるだろうって、古い2階建ての一軒家。平坦地で商店街の中なので買い物便利で、坂だらけの道を行く苦労はしなくて済む。

だが、建て替えの厄介なところは2度引越しをすること。その引越しでわたしは大きな間違いを犯す。

それは家を明け渡す時期を4月にしたこと、そして引越しの段取りを先延ばししてギリで決めたこと。

まずは4月は引越しが混み合う。こんなこと日本国になん10年も住んでいれば考えなくても分かりそうなものだけど、その時は銀行やハウスメーカーとの折衝に追われて引越し屋なんぞいつでも見つかるわ。くらいのモードになっいた。

そのときはサカイ引越センターに頼んだのだけれど、いい業者さんでしたよ。でもそのときは選択の余地なかったのです。引越し引き受けてくれたのサカイ引越センターしかなかっでのですヽ(;▽;)ノ

ほかの会社はどこももう4月はいっぱいです。って断られました。

とりわけピアノ付きの引越しは早めに手を打ちましょう。

比較検討材料があったほうがいいに決まってるのです。

だが、その時はピアノ運送はしませんでした。仮住まいは商店街の中。これは引越しのあと気づいたのですが、家が安普請の古い借家普請でも意外や意外、ピアノ弾いても迷惑だったり苦情がきたりはしなかっただろう。

と、いうこと。それは商店街というのは賑やかなところで、夕刻から朝方まで商店のシャッター閉める音が1時間ごとにする。景気付けの音楽が商店街全体に流れている。飲み屋もあればカラオケスナックもある。

つまりは毒を持って毒を制す。と同じ理論で音を持って音を制す。感じです。それでこの頃思い出したのは、高校生の頃、うちは住宅密集地帯だけれど、商店街だから夜は11時頃までは練習出来る。

と、言っていたことを思い出した。わたしのピアノは倉庫に預けて、新たな家が誕生した頃に引き取る予定。これなら、ピアノ持ってきてもよかったかな?!は、チラとは思いましたが仮に楽器OKでもグランドピアノはNGだと思いますよ。床の強度が足りなかったに違いないのです。

とにかく、ピアノはピアノ専門の運送業者の倉庫にこの時は預け、例のアビテックスはこれ解体するだけで60万円。(@^▽^@)そして次の新たな家は防音工事しなくて絶対大丈夫と請け負ってくれたので、当時持っていたホームページで呼びかけてカラオケ教室を始めたい。っていう人に譲りました。

そのようにしてピアノを里子に出して、商店街の中での暮らしが始まったのですが、仮住まいの家周辺は賑やかでも、犬散歩コースの本牧原の辺り。この辺は不気味な位静か。

本牧原のあたりは元は米軍の接収地で接収解除になったあと地主に返された。という話だが、いっぺんひろーい更地にしてその後住宅が建った。電線は地下に埋めてあるので電柱はない。

そして、古い借家普請の家なぞ一軒もなく、全て本牧らしい??!デザインのさぞや機密性がいいだろう。って、家々が並んでいる。そうです。テレビ、楽器、ステレオ、話し声、喧嘩の声。全て外に聞こえないのです。

だって、ゴーストタウンじゃないんだから、家の中では生活音はしているだろう。

本郷町の(うちの仮住まいの町名です。)賑やかさと、本牧原の家の遮音性。この両方がピアノを弾くのの理想なのでしょう。音を持って音を制するか、完膚なきまでの遮音をするか。

このようにして、うちの場合は家の建て替えの時はいったんピアノは倉庫に預けました。もちろんピアノを持っての引越しは出来ます。ですが、仮住まいを借りる場合はここでピアノ可の物件を当たらなくてはならないのです。

ピアノ可の物件は音大の近くならいくらでもあるのですが、ピアノ可でも今度は短期貸し不可。かも知れないので、、、。いえ難航が予想されたのでわたしは倉庫に預けたのです。