発表会向け~ストリーボックワルツ編

あるいはストリーボックって誰?

 発表会のため、あるいは単にレッスンのエチュードでない曲として、かつて初心者の段階の頃、つまりは入門級を卒業できた頃大量に弾かされたストリーボックの小品。

 今時の少年少女にはあまり流行ってとは言えないストリーボック。

 ストリーボックは1835年生まれ1886年没のベルギーのピアニストで作曲家19世紀の人ですが、このストリーボックというのは芸名というかハンドルネームで、ベルギーに戸籍法があるかどうか知らないのですが、戸籍上というかおそらく欧州では出生証明書かなんかのお名前は、ジャン・ルイ・ゴバールツ💦

フランス語圏と思われますが(エルキュール・ポアロみたい。)ゴバールツ、カタカナでなく(あたりまえだけど)アルファベット逆から読めばストリーボック。

19世紀とて、ハンドルネーム使う人がいたということがうかがえます。

なんとなく、逆さ読みのハンドルネーム使いたい気分になったのわかる気がする。21世紀の日本人の感覚だけれど、ゴバールツよりストリーボック。の方がはるかに音楽家らしいお名前。

バイエル後半から、ブルクミュラー25の練習曲レベルで弾ける。という触れ込み、入門教材というのは今や星の数ほどあるので、バイエルやブルクミュラー使ってない。ってことは往々にあるのですで、まぁだいたいの目安としてとらえましょう。

 この先生、ストリーボックピアノ小品集で1冊の教本になるくらい、発表会にふさわしい可愛らしくお子様に好かれそうな(いえいえ、今時の少年少女は手強くて時代遅れ曲さ!と、バカにされることとてありえます。)名曲揃いです。

それじゃあ、この先生初心者向けの曲しか作曲しなかったかっていうと、そんなことはないと思いますよ。ですが、残念ストリーボックの大曲というのは聴いたことも楽譜見たこともありません。

そして、この漠然とした1835年生まれ、って、もっと現在でもメジャーな作曲家と対象させると、ベートーヴェン1770~1827年、つまりベートーヴェンお亡くなり8年後に出生。

ショパン1810~1849年(☆-v-)短命だ。

ですので、ストリーボック先生ショパンが15歳の頃生まれたことになる。ロマン派華やかなりしころの作曲家です。

音楽家対照表

作曲家、及びピアノの歴史についての参考書籍はピアノスタディ4のワークブックからです。あら、何?お子様向けの教本じゃないよ。

と、思いますがなかなかどうして優れものです。

簡単ではあるものの、日本の年表も対照表でついております。

これです。写真は少し切れてしまいました。簡潔ながらも大変わかりやすくまとめてあります。

もちろん音楽史の教科書ではなく、ワークブックなので、曲想記号の説明や音楽記号の説明、楽譜を書いてみよう!が主ですが、メヌエット、ガボット、プレリュード、マズルカのについても説明(お子様向けなので大変わかりやすい。)テレマン、ヘンデル、ベートヴェンがどんな音楽家であったかの文章もあります。


 ここで購入するのも、何も教本がピアノスタディでなくても良いと思われます。

だがだ??あまりにもお子様向けだわ、、。

では、ストリーボックのワルツその1,金の星

金の星(★ ω ★)金星のことかしらん?輝かしい星空をイメージして弾きましょう。Tempo di Valseワルツのテンポで演奏しましょう。

ワルツはダンス系のワルツ、1拍目を強拍にして、強弱弱のリズム感覚でワルツステップが踏めるテンポで演奏します。

これが、ショパンのワルツになると1番のワルツは確かダンス系のワルツではあるものの、例えば子犬なんざあの速度で踊ったりしたら必ずや、ひっくりこけること請け合いです。

そうでないのはLentoのワルツがあったりして、これワルツじゃなくてスローなんじゃないの?って。

ですが、このストリーボックの金の星、本物のダンス系のワルツの気分で弾きましょう。ダンス系はテンポを揺らしてはいけません。

ハ長調で途中ト長調に転調してまたまた、D.C.で最初に戻ってFine

曲はこんな感じです。

17小節目から☆星がイメージできるキラキラ感のある。装飾音符が出てきます。1拍目、3拍目で繋がっていますが、右手の装飾音符は強弱弱を意識しないで弾いた方が華やかです。

もちろん左手は延々と強弱弱のワルツステップ風に弾いていきます。

そんな器用なマネ出来ないΣ(・□・;)って、出来るように努力しましょう。だからピアノというのは難しいのですよ。

ストリーボックの金の星、人気があるようでこの曲、発表会に弾きましょう(⊙o⊙)って言うと複雑な表情、及びあまり気乗りしない風を見せる生徒さんは多いのです。

もちろん全員じゃありません。

それじゃあなんで?って、理由簡単です。要するに古臭いのです。そりゃそうですよ。日本に置き換えれば、まだ江戸時代に生まれた人ですよ。

いくらクラシックの名曲に憧れる少年少女および、大人の初心者でも歳月の荒波超えて現代にも引き継がれている名曲の小品、エリーゼのために、や乙女の祈り、そして年代も古いものの永遠の名曲、モーツァルトのトルコ行進曲あたりがもう弾きたいのです。

だが、ストリーボック作品はそれらの比較的技術的に難がない名曲の前段階、エリーゼやモーツァルト弾くにはもう一山超えなければならないこと覚悟して(我慢して)頑張りましょう。

ストリーボック多分1番人気すみれ

これまた可愛らしい、ワルツテンポの曲ですが、なんとなく時代遅れの感は否めません。そりゃそうですよ。この頃、日本女性は着物着て日本髪に結っていたんですよ。音楽系の習い事はお琴や三味線、琵琶(食べるビワじゃありませんよ。)日舞。

まだまだ、ピアノなんざ街には影もない時代です。

西洋だって、巨大なスカート(ワッカで膨らましてたらしい、もしくは巨大な腰当)引きずって、コルセットで胴体ぎゅうぎゅう締めていたのです。

現代感覚と一緒なはずはありません。この頃、ピアノとてやっと、82鍵まで増えたのです。でもまだ現在の88鍵には及びません。

とはいえ、わたし事ですがこの「すみれ」がストリーボック曲の中でも最も人気があります。初心者のための小品のをいくつかリストアップすると、すみれを選ぶ人が多いのです。

春の訪れを感じさせるすみれ、これまたとても可愛らしい小品です。

ヘ長調から始まって、ハ長調に転調、1小節いっぱいの装飾音符が出てきます。

ですが「すみれ」に関してはワルツで弾きましょう。の指示はありません。テンポの指定はAndanteつまり、ゆっくり歩く速さで。だが、これは現代人が歩く速さに比べて相当ゆっくりだと思ってください。

Andanteは72、つまり1分間に72カウントするテンポです。

ゆっくり歩くというニュアンスも19世紀以前の貴婦人たちがそぞろ歩くのをイメージいたします。

当然、ギリギリ締め上げたコルセット巨大なお引きずりのスカートの装飾過剰のドレス、人の髪の毛まで入れて盛り上げたヘアスタイルに上にこれまた装飾過剰の帽子をのせている。

それで、ゆっくりと歩を進める雰囲気で弾いていきましょう。

これくらいのグレードまで達したら曲想記号から強弱、スラー、スタッカートの表情にも気を付けて練習いたしましょう。

ストリーボックのほんとにワルツ

ストリーボック作品で単にワルツという題名だけの、ワルツ。

このワルツは本当にワルツでテンポ指定はTempo di Valseです。

この曲は装飾音符ありません!ですがやはりハ長調ヘ長調そこからまたハ長調の三部形式です。

左手の4分音符に対して、右手も同時に4分音符、もしくは右付点2分音符、タマに2分音符あまり4分音符(右手)の組み合わせが多いので右、左がとても合わせやすいと思います。

ストリーボックのワルツ

ワルツのテンポ感覚を楽しんで弾きましょう☆