30の小さな物語

わたしの中学生の頃の友人で、幼き頃には一緒にピアノを習っていた者がいた。
その人、ピアノレッスンとは縁無き人生を送ってきた少女がソナチネって何?

の問いに、ピアノの練習曲!と、自信持ってお答えしていて、、。
えΣ(゚д゚lll)あの?それはちと、いえ、全然違うんじゃないか?

だが、彼女の見解、つまりはソナチネのように面白くもない曲はエチュードと分類していたに違いなく、それじゃ平均律は究極のエチュードなんだろうな!?
で、ショパンエチュード3番、別名別れの曲、またはラ・カンパネラはエチュードには分類されない。

このように信じていたのではないかと思われる。まぁ、当たらずとも的を得てるような気がしないでもない。

だがだが、間違いなくエチュード、それもエチュードの王道、絶対的エチュード。
といえばカール・ツェルニー大先生の30番、40番、50番のそうそうたるラインナップ。

にも関わらず、あるいはそのためか、けしてピアノを習う少年少女または成人男女に愛されているとはいい難い作品群。

そうです。この文の最初に登場いただいた友人の面白くない曲=エチュードじゃん。をマトモ行ってますね。

だがだ!特にまだ小さい子に分類されるお年頃でツェルニー30番まで進んだ優秀なる少年少女のために可愛らしい表紙、挿絵、表題解説にて、一気にエチュードって楽しいヾ(@⌒ー⌒@)ノというような高みに持って行ってもらいたい。
そのような愛すべきツェルニーがないものだろうか?

そこで見つけた

これです。お子様のために上巻下巻に分かれてわかりやすい解説もついております。上巻はピンク。

下巻はブルー、可愛いლ(╹◡╹ლ)可愛すぎる。

きっと、皆さんエチュードが大好きになってくれるに違いない(*≧∀≦*)

ここで補足、ツェルニーとカタカナ表記されることの多いカール・ツェルニー先生ですが、この版ではチェルニーになってます。
これはどってでもOK、どっちかというと日本語の口語ではチェルニーのほうが近いけれど伝統的にツェルニーとカタカナ表記されていた。

西ヨーロッパ表記はCarl Czerny です。

この30の小さな物語は本来のツェルニーの1番から始まってません。
6番から始まって表題は楽しいつりぼり、ソファミレドッ♪、ファソラシドッをお魚釣り上げるのイメージして軽やかに指の先を使って弾いて、ほら赤四角で気をつける指使い書いてあるでしょう。
どうやったら上手に弾けるかも書いてあって、なんて楽しいイラストでしょう!

本の後ろのほうにはオーケストラのことやツェルニーがどんな人だったかも載っているのよ(*´∀`*)

ですが、大抵の方のご感想。
絵は可愛いけど曲は可愛くない。と。

はは(≧∇≦)そりゃ言えるわ。ともわたし言ってられない立場なので、そーか困ったな。エチュードというのは存外、やってるうちに楽しみが見出されるようになる。
エンエンと続くこの16分音符や32分音符の連なり、絶対間違えないで指定のテンポどうりに弾いてやる。見てろファイト♪。゜+.o((◕ฺ∀ ◕✿ฺ))o

のテンションになってくると、エンエンと同型のパッセージ弾き続けるのが自虐的快感になってきてね。

だが、そこまでどうやってたどり着かせるか??

少年少女に関わらず、人というのは時と場合によっては驚くべき集中力を発揮するのです。

この曲が好き、この曲弾きたいからピアノ習う(^-^)
そのような音楽があると、なんとかして弾いてしまう。

わたしだってそう。
ワルトシュタイン全楽章弾いたのだって、英雄ポロネーズの最初の1小節が弾けないといって嘆きつつも1週間でなんとかみてしまったのもわたしのテクニックや音楽性がそれら上回ってたからじゃありません。

どうしても弾きたかったからです。

なんとかして技量以上の曲、注意すべき点や編曲し直さなければやっぱ無理(ヾノ・∀・`)ムリムリ箇所が多々出てきてしまっても、これくらいまで弾ければツェルニー30番そう難しくは感じないと思うんだけどねー。
のケースはよくあるのです。

それにだ。エチュードというのは同パターンの繰り返しなのだから、良いですか。これ(例によって楽しく、喜びに満ちた曲)弾けるなら絶対ツェルニーはそうはひどく難しくはない。
このパターンの繰り返し練習すれば、更に上達し楽しい曲、それが難曲でもモノともせず弾けるようになる。

また、エチュードというのはインテンポつまり一定の速さで、テキトーに編纂していけない。
正確に弾いて指使いは合理的に、仕上げは表題のイメージを音楽で表現する気持ちでね!

表題がまたいい。

例えば、子うさぎのさんぽ、リスさんの木の実ひろい、おしゃべりなハチ。

とにかくせっかくツェルニー30番まで続けて面白くないからエチュード辞めよう。
は、もったいなさすぎる。
上達するためのエチュードなのです。

ただ、タマにあまりエチュード必要としない。というタイプの人というのもいるのですが、そういった方にかぎって何故かエチュードが好き。

いままでヤマハミュージックメディア版多かったのですが、この30の小さな物語は東音企画です。